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ベネチアン・レッド

    • 化学物質の概要: 合成酸化鉄

    • 顔料番号: PR101

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 半透明

    • 絵の具の不透明度: 半透明

    • シリーズ2

    ベネチアン・レッドは素晴らしい特徴を持つ純粋な酸化鉄(アイアン・オキサイド)です。この名前が付けられたのは、ベニスの内陸側で取れる自然の酸化鉄の色が、ポッツォーリ近くで見つかる濃いバイオレット・アイアン・オキサイドと、その他に見られる普通のレッド・オキサイドの中間ぐらいの色だからです。これは、相対的に暖系のマストーンを持ち、比較的に寒系のアンダートーンを持つ珍しい特性を持っているので、特徴のあるピンクを作るのに最適です。(マストーンとは、絵の具そのままの色のことで、特に厚めに塗った時の色のことです。アンダートーンとは、薄塗りした時の色のことを言います。)普通のレッド・オキサイドのような、不透明度ではないことから、このアンダートーンが非常に輝きを持ちます。ベネチアの画家達は、特にティッツィアーノ・ヴェチェッリオの使い方を見てもわかるように、この色を生まれつきのセンスの良さで使い分けました。 そしてこの色はイタリアでとても有名になりました。ベニス郊外にある採石場では、ティッツィアーノが使っていた顔料であると言われる採石場が有り、少量を今でも製造していると言う事ですが、大量生産には足りないぐらいの少量という事です。その代わりに、工業生産はその他のベニスの地域へ移行しました。なぜなら、自然のオーカーの製造には色々な質の原料が必要だからです。しかし、ほとんどの製造会社は、自然のオキサイドに比べて純粋な赤である事と、確実であるから合成物を使っています。これは耐久性の高い色の一つで、薄く塗られた箇所の耐久性も高いことが知られています。付け加えるならば、この暗めのレッド・アイアン・オキサイドは、地域や時期によって違う名前をつけられましたが、ベネチアン・レッドという名前は、古く常に最上の顔料であるということを表します。 

    同じ色合いのレッド・オキサイドは、石器時代のフランスの洞窟画で発見されています。そしてこれが発見された時の色は、1万6千年前と変わらぬ綺麗さと鮮やかさがありました。確かに洞窟の中ですので真っ暗なままの保存であったため、光によって起こる色あせを保護したことにはなります。耐久性が最も優れた顔料であったとしても、光は色を変化させる一つの原因です。その他、空気中の湿度や、閉鎖された場所での他の物質との化学反応などは作品の色を変える要素です。特に石器時代の壁画は、現代のようにアクリル絵の具のフィルムによって、環境から顔料が守られていません。レッド・オキサイドは、ものすごく長い時間の経過を経ても、変化を見せなかった。そして私たちが見たものが何千年も前に描かれた変わりの無いものであると確信しています。 

    その他に変わっていない事は、アーティストにとって、とても役に立つということです。年月と共に利用できるようになった、明るく素晴らしい色があるにもかかわらず、ベネチアン・レッドは特別な場所を保持しています。これは土のようなバージョンのブリリアント・アリザリンで、色合いを少し弱められた色です。そのため混色は非常に似たものがあるのですが、重要な相違があります。混色は常に柔らかく、ブリリアント・アリザリンよりも色調を弱める特徴があります。ベネチアン・レッドでピンクを作る時には、人の肌の色がその優しさから、綺麗に表す事ができます。有機顔料のいとこのようなこの顔料は、バイオレットや藤色が作れますが、ベネチアン・レッドで作る藤色やピンクは、ぼんやりとした感じの色味になり、これらは自然界で見られる色です。そしてこれらの色は、美しさと繊細さを兼ね備えており、この和らげる効果は他の色との調和を作る手助けをします。不透明性を比較した時の色にも違いが出ます。ブリリアント・アリザリンは、簡単に透明なグレーズ色を作ることができ、ベネチアン・レッドはそのカバー力に力を発揮します。そのため、ベネチアン・レッドは、ブリリアント・アリザリンを補うことができるのです。補色ということではなく、補い合うという意味です。

    アーティストがこの色を使ったら、なぜティッツィアーノがこの色を愛し、色の選択の少なかった石器時代のアーティストの作品が、とても美しいことがわかります。 

    下記の商品とサイズでご利用いただけます。

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