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ウルトラマリン・ブルー

    • 化学物質の概要: アルミノスルホケイ酸ナトリウム

    • 顔料番号: PB29

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 透明

    • 絵の具の不透明度: 透明

    • シリーズ2

    ウルトラマリン・ブルーは、たびたびブルーの王様とみなされることがあり、アーティストの絵の具の中でもとても、人気のあるブルーであることは明白です。ヨーロッパで初めて登場したのはイタリアのルネッサンス時代で、おそらくベニスでアラビアのダウ船によって、魅惑的な好奇心から持ち込まれたのだろうということです。この色はこの時点で、とてもセンセーショナルであったため、ペルシャからインド、中国、そしてヨーロッパへと広がりました。金の重さとほぼ同じ料金であったこの色は、とても特別であるという評判を高くし、上流階級の貴族のみがこれらの絵を買うことができました。イタリアのアーティストたちは、ペルシャ人が船に乗って持ってきた色という事実以外は知らなかったので、「ウルトラマリン・ブルー」海外から来たブルーという意味の名前がつきました。この時代にアーティストたちは、契約の中にこの色を使うという指定がされていたりして、この顔料を使うことを強要されました。たくさんのアーティストたちは、ブルーの色の部分をもっと安いアジェライトを使って描いてから、薄いウルトラマリン・ブルーで仕上げるということを試みました。この方法は油彩が定着してきて簡単に行えるようになりましたが、その試みもヨーロッパ人がどのようにこの色を作るのかを学んだ結果、少しずつ顔料の価格も安くなっていき、必要がなくなってきました。1930年代に人工のウルトラマリン・ブルーが開発されてからは、この色の価格はオーカーと同じくらいまで下がり、使用される率が急上昇しました。

    この色は暗い青色のラピスラズリという宝石用原石を砕いて作られていました 。ラピスラズリは古代より採掘されています。世界で一番古いラピスラズリの鉱山は、アフガニスタンにあり、7000年もの間採掘されています。この石は、初めの数千年の間は宝石として使われました。この頃、顔料を石から作る知識はあったと思われますが、古代のエジプト人が濃いブルーのガラスを砕いて作ったパウダーの似たようなブルーが使われていたと思われます。この方法の方が宝石用の原石、ラピスを砕くよりもはるかに安かったので必要ではありませんでした。5世紀になって、ヨーロッパと地中海の経済の崩壊の後、エジブトのブルーが手に入らなくなったと考えられ、アフガニスタンのアート作品で初めてラピスラズリの顔料が使われたとされています。しかし、この色の簡単に石を砕いた製造方法には問題がありました。とても弱く、この顔料では筆で描く品質が悪かったことに加え、とても高額になったのですが、他に濃いブルーがその時代にはなかったため、それから600年もの間、東側で使われてきました。 

    13世紀に入って、ペルシャで新しい方法で色を作る開発がされました。石を砕いた後に、苛性アルカリ溶液やその他の物質を使って化学的に処理されました。この方法で、石の母体であるブルーの着色剤を抽出することができました。そのため純粋なブルーで素晴らしい絵の具が作れるようになったのですが、これはその時代の優れたハイテク技術であったため、石を砕いただけよりももっと高価になってしまいました。そしてこの色がベニスからその他のヨーロッパの国々広がり、そしてインドや中国にも同じ時期に広がりました。ヨーロッパの錬金術士やアーティストによって、このウルトラマリンの色の抽出方法を発見するまでに、1世紀以上の時間がかかりました。しかし、後の入手可能な状況と使用頻度のゆっくりした向上で、価格は少し下がりました。とはいえ絵の具の中ではゴールド・リーフ(金箔)の次に高価であることに、変わりはありませんでした。 

    産業革命の間に初めての人工顔料が化学者によって開発されました。プルシャン・ブルーが1706年に開発されたのを皮切りにフランスの政府が1824年に人工顔料の開発者に多額の賞金をかけました。1816年にはすでにウルトラマリンのような濃いブルーは、石灰製造の際に偶然発見されたことから、科学者たちによって逆行分析のいろいろな実験が行われていました。1826年には、ジャン=バプティステ・ギメが重要な発見をしました。彼はこの方法を秘密にしておきたく、賞金ももらい工場でウルトラマリン・ブルーを製造したのですが、2年後に大学の研究者クリスティアン・グメリンによって他の方法が開発され、グメリンはそれを公表したため、ウルトラマリン・ブルーの製造にはグメリンの方法がベースになりました。 

    この業界はとても大きなものになりました。人工顔料はアーティストや宮殿などのデコレーションに初めは使われていたのですが、人工のウルトラマリンは、とても安くすべての顔料製造者にグメリンの方法は知れ渡っており、それによって使用方法が倍増されました。紙を作る会社で少量のブルーを混ぜることで、自然のままでは少しクリーム色になってしまう紙をもっと白くすることが可能になり、またはブルーの紙を作ることができました。洗濯用の商品やクリーニング材に使われる青味材は、ほとんどウルトラマリン・ブルーです。繊維製品も白く見せるために使われ、化粧品、特にアイシャドウ、住宅、車や飛行機などの塗料、青の屋根材の色素材は耐光性に優れていることが重要な条件でした。 

    人工のウルトラマリン・ブルーはラピスラズリから作られたウルトラマリンと似ているのですが、違うことを評価しなければなりません。たくさんの優れた特徴を持った色ですが、全てにおいて優れているわけではありません。たくさんの人は昔の色の方が美しいと言いますが、それらは主観的な意見でもあり、客観的な現実よりも昔の神秘的雰囲気のためにそうなっています。ラピスから作られたウルトラマリンは、もっと大きく揃っていない結晶から出来ており、それはもっと激しい暗いブルーの色を出します。それに比べて、現代のウルトラマリンは、結晶が小さく、光の反射率が高く明るい色を出します。昔の色は深い色味にバイオレット色が現代のものより少なくなります。もしも何からできているのかを伏せて、現代のアーティストに色を選んでもらうとしたら、だいたいフレンチ・ウルトラマリンが良いという答えが返ってきます。これはウルトラマリンにバイオレット色が多めの色調でアーティストに愛されています。マティス・ウルトラマリン・ブルーはこのフレンチ・ウルトラマリンのタイプです。宝石の原石ラピスラズリから作られるウルトラマリンは一色であるのに対して、人工のウルトラマリンは、ブルーからアーティストが好む緑がかったものまで多くの色調があります。グリーンとバイオレットのバージョンもあり、それらは工業的に使われており、それらの影響を及ぼす範囲は少ないのです。すでに使われなくなった色で、ウルトラマリン・イエローは、本当のウルトラマリンではなくバリウムの顔料でした。

    ウルトラマリンはとても暖色系の、透明度も高いブルーで、とても働き者の色で、すべての空色から、イエロー・オキサイドとの混色でオリーブ・グリーンまで、アーティストに使われています。ウルトラマリンで作るグリーンはとても使い勝手がいいのです。何故ならウルトラマリンは、バイオレット側のブルーのため、綺麗なグリーンを作ることができませんが、私たちが日々目にする自然の緑に近い色を作るのです。そしてカドミウム・イエロー・ミディアムと混ぜると柔らかい木の葉のグリーンを作り、イエロー・オキサイドや、ロウ・シェンナと混ぜることでオリーブ系の緑を作ることができます。

    寒色系の赤、マティス・ローズ・マッダーと混ぜることで、綺麗なバイオレットができ、これは耐光性においてもディオキサジン・パープルよりも優れています。その他の寒色系の赤、ブリリアント・アリザリンからマゼンタ・クイン・バイオレットなどと混ぜると、とても上品なバイオレットを作ることができます。もっと土のようなバイオレットを作るには、ベネチアン・レッドやカドミウム・レッドを混ぜることで可能になります。黒に変わるとても濃い色は、ウルトラマリン・ブルーとバーント・アンバーで作れます。このようにウルトラマリン・ブルーはとても用途が多く、アーティストたちから人気であることも理解できます。 

    下記の商品とサイズでご利用いただけます。

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