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イエローオキサイド

    • 化学物質の概要:合成水和酸化鉄

    • 顔料番号: PY42

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 透明

    • 絵の具の不透明度: 透明

    • シリーズ1

    イエロー・オーカーがアーティストによって使われた歴史は、3万年前にも及び、一番古いものはレッド・オーカーによって描かれています。レッド・オーカーを顔料として使った痕跡は、6万年も前の話になります。現在残っている絵はないのですが、40万年前のアフリカ南部で、オーカーの顔料が使われたという議論を呼ぶ主張もあります。石器時代のアマゾンやニューギニアの山では、オーカーをボディペイントとして、川沿いの粘土を使用していた痕跡が残っています。この場合、ほとんどがレッド、イエロー、ホワイト色の粘土が使われましたが、このように使用された顔料は、化石として残りにくく、イエロー・オーカーが初めから使われていたのかを立証するのは難しいのです。 

    オーカーとは全てのアース・カラー、土から採れた色という意味を持ちますが、古代ではオーカーはイエロー・オーカーにのみ使われました。名称は古代のギリシャの言葉、オーカーから来ており、それはイエローという意味でした。 

    そして何千年もの間この色は使われ続けて、今日でもアーティストのパレットに必要な色として残っています。もしもアーティストが、黄色の色を一色しか持てなかった場合、その一色はイエロー・オーカーになることでしょう。なぜなら、カドミウム・イエローのように明るい色は作れなかったとしても、これらの明るい色は自然界には少なく、イエロー・オーカーのようなアース・カラーは自然界に限りなくあるからです。人間の肌の色にも役に立つ色で、人物画家や風景画家に取ってはとても便利な色と言えるでしょう。

    19世紀半ばまでは自然からとれた原料を使っていたのですが、合成物質のアイアン・オキサイドが開発され、マーズ・カラーという名前で市場に出回りました。マーズ・カラーの中で初めに出回ったものが、ベネチアン・レッドで、マーズはレッドに関連した名称でもありました。黒の合成顔料アイアン・オキサイドは、20世紀まで開発されませんでしたが、この色は最後まで名前を保持し続けています。19世紀にマーズ・イエローと呼ばれた色は、今ではイエロー・オキサイドと呼ばれています。イエロー・オキサイドはイエロー・オーカーより、優れている所が二つあります。はじめに、自然のイエロー・オーカーは、色の安定性がない事、なぜならば、同じ鉱山で採れたものでも年代によって、色に違いがあったり透明度に違いがあったりするからです。これは自然のオーカーに含まれる不純物のせいで起こり、色の安定性は不確かになります。絵の具の製造会社としては非常に難しい問題の一つです。二つ目は、不純物のせいで純粋な色が出ないということです。合成のイエロー・オキサイドは、自然のアース・カラーよりも黄色が綺麗に出ます。残念なことに絵の具の製造会社の中には、このオーカーという古い名前を使いながらも合成顔料のオキサイドで作られている場合があり、市場を困惑させています。マティスでは、とても純粋な黄色の合成顔料を使っているので、イエロー・オキサイドと呼ばれています。 

    イエロー・オキサイドの最も基本的な使い道は人物画です。イエロー・オキサイドにタイタニウム・ホワイトとマティス・スカーレットを混ぜることで、人の肌の中に見られる色、サーモンのようなピンク色を作ることが出来ます。この色に、バーント・シェンナや、ロー・アンバー、バーント・アンバーなどで、巨匠たちの描いた人物画の肌の色を再現することができます。 

    イエロー・オキサイドは、風景画の中にも広い範囲で使われる色です。基本的にはブラウンやアース・カラーを作る際、またはブルーと混ぜて自然な緑、ナポリ・イエロー・ライトで明るさを出したり、クリーミーな色を作ったりできます。カドミウム・イエロー・ミディアムを少し混ぜると、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵に出てくるようなゴールデン・イエローが作れます。美しい茶色は、イエロー・オキサイドとトランスパレント・アンバーで、とてもリッチなピンクがかったアース・カラーは、プライマリー・レッドと混ぜることで作れます。明るいグリーンを作るには、イエロー・オキサイドにマティス・エメラルドを混ぜて 芝のようなグリーンを、またはコバルト・ティールと混ぜてトロピカルな、グリーン・ターコイズ・カラーを作ることができます。オリーブ色はほとんどの青色、コバルト・ブルー、プルシャン・ブルー、やミネラル・ブルーなどを混ぜる事で作れます。それぞれが、個性に満ちた色を作り出すことが出来上がります。ガム・ツリーの柔らかな葉の色は、イエロー・オキサイドにオーストラリアン・ブルー・ガムを混ぜて作れます。イエロー・オキサイドは何千年も使われてきた色かもしれませんが、現代のアーティストにとっても、その美しい色は新鮮であることでしょう。 

    下記の商品とサイズでご利用いただけます。

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