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Matisse Emerald | Matisse acrylic paint

    化学物質の概要:塩素化及び臭素化フタロシアニン

    Pigment Numbers: PG36

    Lightfastness Rating: ASTM I

    Pigment Opacity: Transparent

    Paint Opacity: Transparent

    シリーズ3

    Matisse Emerald | Matisse acrylic paint

    この素晴らしいグリーンは、品質が良いだけではなく、耐久性にも優れた無害の色です。由来はエメラルド顔料ですが、美しい色を持つ元来のエメラルド顔料は、非常に有害で殺虫剤に使われていたほどです。何世紀もの間、明るいグリーンの顔料は、銅の化合物の孔雀石や緑青(銅のサビ)、銅レジネート(銅の樹脂酸塩)で作られていました。これらはすべて問題のある顔料でした。孔雀石は明るさに欠けており、緑青や銅レジネートは、特にウルトラマリン・ブルーやヴァーミリオンに近づくと茶色に変色しがちでした。そしてこれらは有害でもあったのです。1775年に、スウェーデン・グリーンとしても知られる、シェーレ・グリーンが開発されこれまでのグリーンに取って代わりました。この顔料は、ウルトラマリン・ブルーとヴァーミリオンに対して、敏感であることは変わりませんでしたが、以前の顔料より耐久性はありました。これは銅とヒ素によって作られており、その時はどれだけ危ないものであるかがわからなかったため、織物や壁紙のデザインなどの色に幅広く使われました。なぜならこの新しい明るいグリーンは、流行りの色になっていたからです。 

    そして、スウェーデン・グリーンの壁紙の張られた子供部屋などで、子供達が不可解な病気になったり、流行りの明るいグリーンのドレスを着た女性が病気になったりと何十年も続いたのです。ナポレオンの死因はガンであると思われていたのですが、最近のテストで髪のサンプルに非常に危険な含有量のヒ素が発見されたとしています。このため、セント・ヘレナの彼の部屋、明るいグリーであったと記録されている壁紙の張られた部屋のせいではないかと推測されています。1814年にシェーレ・グリーンを改良する試みで、エメラルド・グリーンが開発されました。この新しく改良された顔料の、新しい手順でもヒ素は使われており、酸が加えられたことによってアセト亜ヒ酸銅(II)が作られました。これはシェーレ・グリーンと同じ毒性を持っていることを証明し、ウルトラマリン・ブルーとヴァーミリオンに対して敏感であることも変わらず、もちろん毒性も高かったのですが、耐久性は良くなり、エメラルドの石に似た輝かしい色でした。 

    この色は1859年にビリディアンが開発され取って代わる迄、主力の緑でした。ゴッホがビリディアンをたまに使っていたことは知られていますが、彼が好んだ色は昔のエメラルド・グリーンでした。これは彼の最後の年の精神的な病気が、悪化していった事に関わっていたと懸念されます。彼が精神病院にいた際に、絵の具をチューブから食べていたのを発見されたため、絵の具画材の使用をしばらく止められたとされています。どの色を食べていたのかは記録されていませんが、エメラルド・グリーンではないでしょう。なぜなら、この色を食べていたとしたら、その場で死亡している可能性が大きいからです。エメラルド・グリーンは、セザンヌやモネもお気に入りの色でした。ゴッホの精神面の問題や、モネの目が見えない状態になったことの一因が、この色の影響であると推測されています。 

    エメラルド・グリーンは、パリス・グリーンとも呼ばれ、20世紀中頃に禁止されるまでよくある殺虫剤でした。パリのドブネズミを殺すために使われたり、イタリアで第二次世界大戦中にマラリアを制御するために、そして20世紀初めには、果物の木のアブラムシを排除したりするのに使われていました。 

    エメラルド・グリーンは、危険であるにもかかわらず、アーティストにとても好かれる色でした。なぜなら、とても美しい深い緑で、ビリディアンより黄色寄りの色は扱いやすい顔料だったからです。マティス・エメラルドは同じような黄色味を帯びた深いグリーンで、ゴッホやセザンヌ、モネが愛したエメラルド・グリーンの色です。この色は黄色寄りのフタロシアニン・グリーンから作られており、昔の名前から想像される危険性の全くない、安全な顔料で、耐久性は昔の色よりかなり優れています。この色は全ての色と混ぜることが可能で、多種多様な用途に完璧に使える顔料です。ロマン派を慕う人たちが、昔の巨匠の使った色を使いたかったとしても、私たちは幸運なことに現代のより良い同等の色が使えるのです。 

    マティス・エメラルドは、黄色よりのフタロシアニン・グリーンから作られています。フタロ・ブルーが作られる時に塩素を存在させることで、グリーンの顔料が作られました。そして臭化物を混ぜることでこの素晴らしい黄色寄りのグリーンが出来ます。この黄色寄りの色は、混色でアーティストが最も必要とする緑を作ることができます。この黄色寄りのフタロシアニンは、ブルーのように混ぜた色を支配するような強さがないため、混色がしやすい利点があります。 

    この顔料の美しさは、混色によって様々な美しい色を作り出すことで、明らかにされます。明るいパステル・グリーンを作るには、ナポリ・イエロー・ライトを混ぜて、アップル・グリーンのような20世紀中頃に人気のあった、インテリアの色が作れます。オーストラリアン・ブルー・ガムやアッシュ・ピンクと混ぜることでこのパステル・カラーのバリエーションも作れます。明るい芝のグリーンはイエロー・ディープを混ぜて、オリーブ・グリーンはカドミウム・オレンジを混ぜて作ることで出来ます。濃厚な森林の緑は、トランスパレント・イエロー・オキサイドと混ぜることで美しいグリーンのアンダー・トーンを持つ色が作れます。コバルト・ティールとマティス・エメラルドを混ぜたターコイズ・グリーンは、宝石のような色で、このコンビネーションを忘れてはなりません。マティス・エメラルドは、色の宝石箱です。美しい色を作ってもらうことを待っています。 


    Safety Data Sheet for Matisse Emerald (SDS)

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    Matisse Emerald is available in Matisse Structure, Matisse Flow, Matisse Fluid  

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