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マティス・マゼンタライト

    • 化学物質の概要: アリライドイエロー、ナフトールレッド、二酸化チタンの混合

    • 顔料番号: PY74 PR122 PW6

    • 耐光性評価: BWS8

    • 顔料の不透明度: 不透明

    • 絵の具の不透明度: 不透明

    • シリーズ2

    マティス・マゼンタライトは、耐光性のとても高い顔料の混色です。この混色顔料のASTMテストはされていませんが、それぞれの顔料のテストではASTMのIの高い耐光性を持つ顔料です。この色はとても興味深く歴史的にも魅力的な色です。ファッションを勉強している学生たちは、この色を興味がそそられるブラッシュ・ピンクと呼ぶでしょうが、この色はファッションをかなり超えたもっと深いものです。

    20世紀前半の特にアメリカで、絵に対する科学的な考え方に人気が集まりました。ジョージ・ベローズ、ロバート・アンリとアンリ・アート・スクールで使われたパレットを図式的に見て、マラッタの色彩論を使って色の並びを数学的に見せたものがヴォーグ・ニューヨークで出版されました。これは色の混色を、原色と番号とアルファベットのみがついたマラッタ絵の具を使って行うシステムでした。このシステムは美しい調和の3次色を、これらの色を使って作り出しました。熱狂的な支持者がこの混色に関する多数のルールで幸せにふけって、番号で色塗りをするペイント・バイ・ナンバーなどと名付けたりしましたが、このシステムの欠点は、他のアーティスト達にとっては、とても難しい言葉を使った難解なもので、このアイデアは歴史の中に埋もれていってしまいました。 

    しかしながら、1960年代から70年代にかけてアクリル絵の具がまだ新しかった時、このアイデアは絵の具のチューブの色に違った考えの種を植え付けました。色は色相環の中の論理的な場所に位置された、科学的なペインティング・システムで、パステルにたくさんの色があるように、色合いや明度の違う色の絵の具も製造業者が事前に混ぜて販売しました。このアイデアが世界的に有名にならなかったのには、アーティストが絵の具を買う時、彼らは経験と感情的な理由から色を選ぶことの方が多く、計算や論理学またはその色が色相環のどこに位置している、などから絵の具の色を選ばなかったからです。マティスのカラー・チャートを見ていただくとわかりますが、感情的で使いやすさを理由とされており、ロボットのような仕組みにはなっていません。しかし、2色だけこの科学的なアイデアの色が残っています。それは、マゼンタ・クィン・バイオレットとマゼンタ・ライトです。他の色がなくなっていってしまったにもかかわらず、なぜこの2色が残ったのでしょうか。マゼンタ・クィン・バイオレットに関しては簡単に理解できるかと思います。マゼンタの色の範囲が必要とされていたことからですが、マゼンタ・ライトに関しては見た目にははっきりした理由が見られません。 

    おそらくアーティストがこの色を好んだ理由は二つ考えられます。一つ目は、この色がオフ・ホワイトのように働くことです。寒色系の赤の明度を明るくする際や、ブルー・バイオレット系の色を明るくする際にもマゼンタ・ライトのように少し色の入った色で混色することで、純粋なホワイトを混ぜるよりも柔らかく仕上がります。そしてもっと重要なところでは、ラベンダーや藤色を混ぜる時のベースにすることで、とても柔らかいコーンフラワー・ブルーに仕上がります。これらの色は、自然界の中よく見られる色です。黄色や赤ではないワイルド・フラワーだけではなく、この色は1日が経つ空気感をも表す色です。日中の遠い丘にもこの色が少し混ぜられ、日が沈みかけると空や雲にもこの色が加わってきます。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの人生最後の月に、これらの藤色やバイオレット、そして黄金のオーカー色の対比が使われています。雨のオーヴェールの風景画でも藤色に託された彼の感動が出ています。感動が私たちを微妙で落ち着いた方法で彼の絵とつながらせ、 感動が私たちとチューブの絵の具の色をつながらせます。この点において、私たちとヴィンセントに違いはないのです。 


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