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アルパイングリーン

    • 化学物質の概要:塩素化銅フタロシアニン、アリライドイエロー、ジアリライドイエローの混合

    • 顔料番号: PG7 PY74 PY83

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 透明

    • 絵の具の不透明度: 不透明

    • シリーズ2

    アルパイン・グリーンはとても綺麗で、暖かい芝のグリーンのような色です。この色は、昔の巨匠たちが使っていたコッパー・レジネートという色を少し暗くした色によく似ています。コッパー・レジネートは油絵の具の始まりに由来されており、油絵の具のみに使うことができました。この顔料は、銅に生じる緑青(ろくしょう)にベニス・テレピン油を混ぜて作られた珍しいもので、温かみがある黄色味がかったグリーンでした。巨匠たちは、この色が芝や群葉の中に見られる自然な色だったため、とても重宝しました。この色はグレージング(薄塗り)で使われ、アズライト(藍銅鉱)やヴェルディグリ(緑青)、マラカイト(孔雀石)、オーカー(黄土)などの色の上に塗られました。現在良い状態で残っているものは非常に少ないのですが、その効果は非常に美しいものであったと想像できます。残念ながら、ほとんどはその色味が茶色に変色してしまいました。昔の巨匠たちが残した絵画の中で、茶色い芝や群葉を見ることはよくあるかと思いますが、実はコッパー・レジネートが原因であることが多いのです。コッパー(銅)にはもう一つ悪い癖がありました。これは非常に毒性があるということで、害虫駆除によく使われていたのです。17世紀に使われた色が変色してしまった事は、悪い評判だったのですが、変色する前はとても良い色だったのです。

    この色は、その必要性からその後も使われました。他の方法でこの色を作る試みもされていたのですが、それらはほんの少しオリジナルのコッパー・レジネートより良いくらいで、あまり変わりませんでした。この時は、ブルーにあまり保存性のない黄色を混ぜて作られていました。信頼が置けるグリーンが登場したのは、19世紀になってからの事ですが、昔の巨匠が使っていた色で、保存性と安全性に高いグリーンを基にしたブレンド色は、20世紀になるまで出てきませんでした。アルパイン・グリーンもその中の一つです。マティスの専門家用アクリル絵の具に仲間入りしたのも、数年前のフォークアート・ブームの時でした。なぜならフォークアートではいろいろなグリーンが必要だからです。しかし、このブームも去って、それらの色もだんだんと無くなっていった中、アルパイン・グリーンには需要がありました。それはアーティストたちが、昔の巨匠たちが発見したように、風景画を描くのにこの色の使いやすさを発見したからです。 何百年も前に風景画を描く時に扱いやすい色だと発見されたように、いろいろな方面から見ても申し分のない色なのです。オーストラリアン・オリーブ・グリーンより澱みのない色なのに、ロー・シェンナと混ぜるだけで、もっとくすんだ色作りができます。 または、少量のプライマリー・イエローを混ぜるだけでサップ・グリーンの色が作れる為、オーストラリアン・サップ・グリーンの代わりにアルパイン・グリーンを使うこともできます。   

    アルパイン・グリーンは、幅の広いグリーンを作るのに適しています。トランスパレント・レッド・オキサイドか、ロー・アンバーを混ぜて、暗めのグリーンのフッカーズ・グリーンを作ったり、森林のグリーンはロー・シェンナやイエロー・オキサイドと混ぜて作ったりします。イエロー・ディープと混ぜて黄金のようなグリーン、例えば朝の光を浴びた葉などの色、または、プライマリー・イエローか、カドミウム・イエロー・ミディアムを混ぜることで、新緑や光にあったった群葉、芝刈り後の芝の色などを作ることができます。色々なユーカリの葉の色は、アルパイン・グリーンにナポリ・イエローまたは、オーストラリアン・ゴースト・ガム、オーストラリアン・ブルー・ガムなどを混ぜて作れ、それぞれ素晴らしい色になります。人工的に作られた明るいグリーン色の物を描く時も、アルパイン・グリーンは輝きを見せます。綺麗なグリーンは、パーマネント・グリーン・ライトと混ぜて、さらに幅の広いグリーンが作れます。この多様性と保存性を考えると、この色を愛した昔の巨匠たちが、現在のこの色を使いたいと思うであろうことは間違いないことでしょう。このモダンな色は、巨匠たちが困った問題を抱えず、良いところだけを残したとても幸せな色です。 


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