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ローアンバー

    • 化学物質の概要:マンガンを含む天然酸化鉄

    • 顔料番号: PBr7

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 半透明

    • 絵の具の不透明度: 半透明

    • シリーズ1

    ロー・アンバーは、ラテン用語で「アンブラ」(影)の名前から派生しており、イタリアの中央地区の山岳ウンブリア州が初めの産地でした。ただしこの粘土のタイプは、ありふれたもので、世界各地で発見できます。高い品質のアーティスト用絵の具の顔料は、キプロスが最も重要な産地です。これは最高品質のアンバーとされており、イエロー・オキサイドとマンガン・オキサイドの含有量、そしてこの二つの混合が作り出す緑がかったトーンがアーティストに好まれるものであるからです。おそらくトルコでは、歴史的に見てもリッチでエキゾチックな色と関連があり、さらに国名もトルコ石から派生していることからもわかります。キプロスのアンバーは、顔料業界でよく「ターキッシュ(トルコ)」と呼ばれています。ロー・アンバーは、アーティストたちによって、寒色系の暗いブラウンとして使われていますが、ほとんどのロー・アンバーはバーント・アンバーの原料になってしまいます。 

    ロー・アンバーとバーント・アンバーの暗いブラウンの色味は、部分的にレッド・アイアン・オキサイドとマンガン・オキサイドの不純物によるものです。マンガンが暗いブラウンの色味を作り出します。アフリカやオーストラリアの古代壁画には、使われていないのですが、ロー・アンバーは、フランスの初期の洞窟壁画の主要な部分に使われています。それらは、2万年以上使われていたとみられています。ラスコーの有名なバイソンや馬は、約1万6千年前のもので、ロー・アンバーとレッド・オキサイドを使って美しく描写されています。ロー・アンバーのトーンが、これらの絵の中の動物たちを覆う自然な色であるために、現実味を感じる事に貢献しています。ほとんどの古代の洞窟壁画は、現実的というよりも、とても図式的で、色や形は精神的なものや文化的なものを表していました。ラスコーの壁画でもこのように使われているものもありましたが、大きな動物になると写実的に描写されており、ほとんどモダンと呼べるようなもので、これらの動物画の正確さを求めることで、ブラウンの顔料の必要性が広がりました。このことは重要な見識で、この後世界中の洞窟壁画でロー・アンバーの顔料が見られるようになりました。これは、自然発生したことなのか、または文化的な考えが広い範囲で伝わっていたのかを考えるととても興味深いことです。さらに興味深いことは、この色の人気がなくなっていくことです。その例として、古代のエジプトでは、使われていなかったようです。ただ、ルネッサンス時代には基本の色として広く使われていました。 

    ルネッサンスの後、ブラウンの時代がやってきて、これらの色の使用はとても多くなりました。印象派が出てきて、ブラウンの使用頻度が今日の状態に落ち着くことになります。新世紀になってもその人気はロー・シェンナと同じく保持し続け、これらの2色のみが未だ古代に使われたのと同じように、自然の顔料を人工のものに取って代わられることなく使われています。 

    暗いブラウンは、自然界の中にたくさん見られ、特に影などには多く発見できます。それらは暖系の色の場合もあり、その場合バーント・シェンナが一番目の選択になりますが、寒色系のブラウンが必要になると、ロー・アンバーの方が適しています。そして暗い色を混色で作る場合にも実力を発揮する色で、フタロ・グリーンと混ぜてフッカーズ・グリーンの色を作ったり、透明度の高いクリムゾン系の色、例えばマティス・ローズ・マッダーやブリリアント・アリザリンと混ぜてバーガンディーの色を作ったりします。サザン・オーシャン・ブルーと混ぜるとブラックが、そしてイエロー・オキサイドと混ぜることで色幅の広い風景画で使用頻度のとても高いブラウンが作れます。

      

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