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フタロシアニン・ブルー

    • 化学物質の概要: 銅フタロシアニン

    • 顔料番号: PB15.3

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 透明

    • 絵の具の不透明度: 透明

    • シリーズ2

    フタロ・ブルーは、フタロシアニンの省略名です。これは、一般に認められ、一般的に使われる顔料の名前の中では珍しい化学名です。英語名の初めに“Ph”がついていますが、これは発音されず英語では、“thalo”と発音されます。1936年に初めて販売された時には、他の名前が付いていました。それはモナストラル・ブルーで、今でもこのように呼ぶ絵の具製造会社がありますが、ほとんどの会社は化学名にもどしました。 

    この色は、偶然に見つけられた色です。この偶然の発見は、顔料の世界では比較的よく起こることです。一番有名な最初の合成コールタール染料の発見は、19世紀半ばで、マラリアの治療のためにキニーネを合成しようとした人が見つけました。しかし、フタロシアニン顔料は、3つの国も違うグループが、同じ時期に偶然見つけた珍しい顔料です。スイスとスコットランドで、1907年に偶然見つけられた物質は、とても強い染色効果と、とても綺麗な色であることが記録された以外は、何もされませんでした。1935年に他の研究をしていたイギリスのICIが偶然見つけた時には、のちに追跡調査が行われ、その時代の耐光性に最も優れた有機色素であることがわかりました。それから1年以内に織物用の染料や工業用やアーティストに使われる顔料ができました。フタロシアニン・ブルーやグリーンの主要産業を考えるとスイスとスコットランドは 、この濃いブルーの不純物に興味を示さなかったことで、重要なチャンスを逃してしまいました。 

    これは、深い緑がかったブルーで並外れた強さを持っていました。今市場に出ているフタロシアニンは、すべて実際の濃度ではありません。なぜなら、一滴混ぜるだけで他の色を圧倒させてしまうからです。この色を扱い易くするために適切な量の増量剤が製造段階で混ぜられて、この色の強さを弱めています。増量剤などの不純物の添加なしではこの色は使うことができません。この大量に増量剤を添加した状態の絵の具チューブでも、パレットの中ではとても強い色の分類の一つで、抑え気味で使わなければ、色を作る際に簡単に入れ過ぎてしまいます。 

    フタロシアニン・ブルーは、アーティストにとって必要不可欠な基準の濃いブルーです。20世紀初めから中頃の粗末な製品基準が、プルシャン・ブルーの不同の性質の評判をあげました。アクリル絵の具の中では、何年もの間フタロ・ブルーが唯一の選択でした。なぜなら、初期のプルシャン・ブルーは、アクリルの乳剤の中でとても不安定になったからです。とはいえ、プルシャン・ブルーの製造テクノロジーの発達で、顔料が安定性や品質ともに信頼できるようになったため、アクリル絵の具として存続し、この二つの色は非常に相補う存在となりました。プルシャン・ブルーは、より不透明で、フタロ・ブルーのようにグリーン寄りの顔料ではないことなど、様々な状況の中でそれぞれ違った利点を持っています。フタロ・ブルーのすばらしい透明度と混じり気のなさを持つ色は、宝石のような質の良い顔料であると言えます。これはブルーやグリーンの色のガラスや、水やその他の透明または半透明な物質の表現に申し分のないブルーです。 

    この色は、チューブから出したそのままの色で使われることはあまりありません。それは自然界に存在しない色だからです。ただこのユニークな色はアーティストにとってとても使いやすい色なのです。なぜなら、混色で作られる色は他では真似のできない色があるからです。それはありとあらゆる緑を作る際に、特に貴重なのです。フッカーズ・グリーンはアーティストが特に役立つ色と感じており、それはチューブで買うこともできますが、フタロ・ブルーを使って混ぜられた色には、もっと個性があります。そして、それを作るには二通りの方法があります。フタロ・ブルーとオーレオリン・イエローを混ぜると少し明るいバージョンが出来、フタロ・ブルーとトランスパレント・イエロー・オキサイドを混ぜるともっと暗く強い色になります。この三つの顔料の透明度は、よく似た美しい暗めのグリーン、原型のフッカーズ・グリーンを作ることができます。原型のフッカーズ・グリーンは雌黄(しおう)が使われており色あせがありました。現代のこの代替の混色はとても永久性があります。

    不透明の顔料や明るいイエローを使うことで、とても違ったグリーンが作れます。カドミウムグリーンは、フタロ・ブルーとカドミウム・イエロー・ライトや、カドミウム・イエロー・ミディアムを混ぜることで、模倣することができます。これらのグリーンはとても明るく、自然界で見られる緑よりもかなり明るい色になりますが、人工的に作られたもの、例えば、陶器、車や住宅、または洋服などに見つけることができる色です。自然なオリーブ・グリーンは、フタロ・ブルーとイソ・イエローを混ぜることで、そして、もっと暗いグリーンは、カドミウム・オレンジをイソ・イエローの代わりに混ぜることで作れます。

    空はとても変わりやすい色ですが、フタロ・ブルーとオーストラリアン・スカイ・ブルーを混ぜることで、完璧なブルーが作れます。これらのブルーは、特に暑い真夏日の海面などの水面を描くときに、必要になったりします。その他には、海の奥深くや空の夕暮れ時の明るいグリーン・ブルーにも役立ちます。これらの色はオーストラリアン・ゴースト・ガムと混ぜることで簡単に作れます。フタロ・ブルーの美しさと繊細さは、混色を楽しむためにも価値があり、出来上がった、たくさんのグリーンやブルー混合色の輝きに驚かされることでしょう。 


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