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オーストラリアン・サップ・グリーン

    • 化学物質の概要:アリライドイエロー、塩素化銅フタロシアニン、ジアリライドイエロー、合成酸化鉄の混合

    • 顔料番号: PY74 PG7 PY83 PR101

    • 耐光性評価: ASTM I

    • 顔料の不透明度: 透明

    • 絵の具の不透明度: 半透明

    • シリーズ3

    サップ・グリーンという名称が使われなくなってきた理由の一つに、サップとは木が元気に成長して新しい葉をつけていくことを象徴するからかもしれません。17世紀の記録に残っているこの名前は、油彩によく使われていたからですが、この色は何百年も前からイラスト本に使われています。その例に中世の色が付いた写本の中に、本であった事から保存された状態でこの色が残っています。絵の具が光に当たると、とても不安定であることがわかっています。チェンニーノ・チェンニーニが、15世紀ぐらいに書いた緑の作り方には、プラムは、サフランより劣っていると言っています。ここで言われているプラムとは、クロウメモドキのベリーのことで、ペルシャ・ベリーとして知られています。そしてこれが、スティル・デ・グレイン・イエローやサップ・グリーンの元になっている原料です。ルネッサンスのアーティストたちは、少ない色を使う事が美徳とされていたのですが、17世紀のアーティストたちは、たくさんの色を求め、そして絵の具屋はこれまでの不安定な色を新しく開発して提供していきました。 

    明るい黄色味がかったグリーンは、昔の巨匠の時代には問題が多い色でした。銅レジネートが存在していたのですが、不安定であるということと、重要な色、ウルトラマリン・ブルーやヴァミリオンなどと混ぜると、化学反応で茶色くなってしまうということで、混色ができませんでした。暖かい黄色を混ぜたサップ・グリーンは混色ができたのですが、残念ながら不安定な色でした。これらは、北半球に生息するクロウメモドキのベリーで作られていました。このベリーにはいろいろな種類があり、あるものは薬用として使われており、色を作る種類は4種類ほどでした。どの種類のベリーか、または実が熟しているかどうかによって、出来上がる色が赤から黄色、さらに緑になってしまいました。黄色と緑のみがアーティストに使われた色でした。近年では元々使われていた顔料が近代の新しいものに変わりましたが、本来のサップ・グリーンの色は、今でも中国の伝統的な絵画で使われています。そのためこの色の名前は、チャイニーズ・グリーンと呼ばれるようになりました。 

    オーストラリアン・サップ・グリーンは、マティス・エメラルドとイエロー・ライト・ハンサ、イエロー・ディープ、そしてレッド・オキサイドを注意深く混ぜ合わせて作られた、クロウメモドキのベリーで作られていた、新芽を表すサップ・ブリーンの色を再現したものです。ただ、この再現されたサップ・グリーンは保存性の非常に高い顔料を使っています。先人たちが色の美しさのために使った色のように、さらに素晴らしいグリーンの混色を作ることができます。 

    カドミウム・イエロー・ライトと混ぜて明るいきれいな芝のようなグリーンを作り出したり、もっとオリーブのようなグリーンを、アンブリーチ・チタンと混ぜて作ったり、さらにはイエロー・ディープと混ぜる色は風景画を描くのにとても役に立つ混色になります。トランスパレント・イエロー・オキサイドと混ぜると、美しいフッカーズ・グリーンのような色を作り出し、トランスパレント・レッド・オキサイドに変えることで、暗めの色を作れます。そしてオーストラリアン・ブルー・ガムと混ぜると、少し寒色系のオリーブ・グリーンができます。これらは、喜ばしい色の組み合わせですが、オーストラリアン・サップ・グリーンの本当の美しさは、パーマネント・グリーン・ライトやコバルト・ティールと混ぜたときに現れます。クロウメモドキのベリーは、歴史の中で色あせてしまいましたが、この色は引き続きアーティストたちに美しいグリーンを作り続けます。 

    下記の商品とサイズでご利用いただけます。

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